- 公開日時: 2008/12/01 15:11
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- カテゴリ: 入試・教育
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\begin{document}
{\large \fbox{{\bf 08名大実践数学採点講評}}}
\vspace{4mm}
【設問別講評】
\vspace{4mm}
\begin{FRAME}
理\fbox{1}
\vspace{4mm}
\hspace{1zw}行列 $A,B $を
\[A=\left(
\begin{array}{cc}
a&b \\
1&-2
\end{array}
\right)
\hspace{1zw},\hspace{1zw}
B=E+2A\]
とし,$A$は$A^{2}=O$を満たすものとする。ただし
\[
E=\left
(\begin{array}{cc}
1&0 \\
0&1
\end{array}
\right)
\hspace{1zw},\hspace{1zw}
O=\left
(\begin{array}{cc}
0&0 \\
0&0
\end{array}
\right)
\]
である。
\vspace{4mm}
(1) $a , b$ を求めよ。
\vspace{4mm}
(2) 数列 $\{x_{n}\} , \{y_{n}\}$を
\[\left
(\begin{array}{c}
x_{1} \\
y_{1}
\end{array}
\right)
=\left
(\begin{array}{c}
1 \\
1
\end{array}
\right)
\hspace{1zw},\hspace{1zw}
\left
(\begin{array}{c}
x_{n+1} \\
y_{n+1}
\end{array}
\right)
=B\left
(\begin{array}{c}
x_{n} \\
y_{n}
\end{array}
\right)
(n\geq 1)
\]
\hspace{1zw}と定義する。 $x_{n} , y_{n}$を求めよ。
\end{FRAME}
\vspace{8mm}
・名大の理系では,行列を用いた数列の問題がよく出題されているので,
\hspace{1zw}その傾向を踏まえて出題した。本問は$B\neq O$ではあるが$B^{2}=O$
\hspace{1zw}である行列$B$の$n$乗を求めることがテーマである。
\vspace{4mm}
・みんな,非常によく出来ていた。これが本番なら,
\hspace{1zw}本問を取りそこなうと大きなハンデをかかえることになるだろう。
\vspace{4mm}
・ただし,(2)において,出題者の意図している
\hspace{1zw}$B^{n}$を利用する解法は少なく
\vspace{2mm}
\hspace{2zw}\textcircled{\footnotesize1}\hspace{1zw}解説5゜のように,連立漸化式として解くもの
\hspace{2zw}\textcircled{\footnotesize2}\hspace{1zw}連立漸化式から$x_{n} , y_{n}$を推定して,帰納法に持ち込むもの
\hspace{2zw}\textcircled{\footnotesize3}\hspace{1zw}【解答】のように$B^{n}$を利用するもの
\vspace{2mm}
\hspace{1zw}の順であった。本問を得点できたとしても行列の$n$乗に思い至らなかった
\hspace{1zw}多くの皆さんは,【解説】をよく読んで,行列に関する技術を1つ
\hspace{1zw}体験しておいてほしい。
\vspace{4mm}
・【解答】の方針で$B^{n}=E+2nA$となるべきところを,$B^{n}=E+2A$
\hspace{1zw}と誤っている人が意外に目立ったが,まったくもったいないことである。
\vspace{4mm}
・少数ではあるが(1)をケアレスミスした人がいるが,
\hspace{1zw}そんなん絶対にアカンよ。
\vspace{8mm}
\newpage
\begin{FRAME}
理\fbox{2}
\vspace{4mm}
\hspace{1zw}空間に,辺OAを共有する3つの正方形OABC,OADE,
OAFGがある。ただし,OA=1であり,
∠COE=30°,∠EOG=30°,∠COG=60°である。
\vspace{4mm}
\hspace{1zw}正方形OABC,OADE,OAFGを含む平面を
それぞれ$\pi_{1} , \pi_{2} , \pi_{3}$とし,$\overrightarrow{OA}=\overrightarrow{a} , \overrightarrow{OC}=\overrightarrow{c},$
$\overrightarrow{OE}=\overrightarrow{e} , \overrightarrow{OG}=\overrightarrow{g}$とする。
\vspace{4mm}
(1) $\overrightarrow{e}$を$\overrightarrow{c} , \overrightarrow{g}$ で表せ。
\vspace{4mm}
(2) $\pi_{1}$上の点Pと,$\pi_{2}$上の点Qを,
\hspace{1zw}$\overrightarrow{OP}=2\overrightarrow{a}+\overrightarrow{c} , \overrightarrow{OQ}=\overrightarrow{a}+2\overrightarrow{g}$とする。
\hspace{1zw}直線PQと平面$\pi_{2}$との交点をRとするとき,
\hspace{1zw}$\overrightarrow{OR}$を$\overrightarrow{a}$と$\overrightarrow{e}$で表せ。
\vspace{4mm}
(3) △OPRの面積を求めよ。
\end{FRAME}
\vspace{8mm}
・毎年感じるのだが,空間ベクトルの弱い受験生が多い。
\hspace{1zw}(名大では空間ベクトルがあまり出ない等と勝手に決め込んでいると
\hspace{1zw}ひどい目に会う恐れがある。)本問もほぼ全員が筆答していて,
\hspace{1zw}白紙答案は滅多に無かったが,0点から50点までの得点のバラツキが
\hspace{1zw}大きく,実力を測るのには持ってこいの問題となってしまった。
\vspace{4mm}
・(1)では,$\overrightarrow{c} , \overrightarrow{e} , \overrightarrow{g}$の位置関係を適当に図示して,
\hspace{1zw}「図より明らかに$\displaystyle \overrightarrow{e}=\frac{1}{2}(\overrightarrow{c}+\overrightarrow{g})$となる」という誤答が目立った。
\hspace{1zw}{\bf なんでやねん。}(これはCGの中点がEであることを表す式である。)
\hspace{1zw}答案の筋道をみて,明らかに実力があると思われる生徒にも
\hspace{1zw}このような誤りが見られた。(1)のミスのために(2)(3)の点数が
\hspace{1zw}半分以下となってしまうケースが多数あった。
\hspace{1zw}トホホ…採点する側としても悔しい。
\hspace{1zw}{\bf もっと正しく図をかいて,しっかりと見てほしい}。
\vspace{4mm}
・(2)を誤っている人の原因は次の2つに大別される。
\vspace{2mm}
\hspace{2zw}\textcircled{\footnotesize1}\hspace{1zw}点Rが直線PQ上にある条件がかけていない。
\hspace{2zw}\textcircled{\footnotesize2}\hspace{1zw}点Rが平面$\pi_{2}$上にある条件がかけていない。
\vspace{2mm}
\hspace{1zw}いずれもベクトルの基本事項であるのだが,この2点の一方,
\hspace{1zw}あるいは双方が書けていない答案が実に多かった。
\vspace{4mm}
・(3)では計算間違いが目立った。ベクトルを用いた三角形の面積公式
\hspace{1zw}$S=\displaystyle \frac{1}{2}\sqrt{\left|\overrightarrow{OP}\right|^{2}\left|\overrightarrow{OR}\right|^{2}-(\overrightarrow{OP}\cdot\overrightarrow{OR})^{2}}$を用いて計算している
\hspace{1zw}答案が意外に少なく,公式$S=\displaystyle \frac{1}{2}\left|\overrightarrow{OP}\right|\left|\overrightarrow{OR}\right|\sin\angle POR$を
\hspace{1zw}用いている答案が多数見受けられた。
\vspace{4mm}
・前項①②で述べたベクトルによる種々の条件の記述方法等と合わせて,
\hspace{1zw}本番入試までに基本事項の見直しを入念に行わなければならない
\hspace{1zw}受験生が数多く存在すると感じた。
\newpage
\begin{FRAME}
理\fbox{3}
\vspace{4mm}
$0<a<\displaystyle \frac{\pi}{2}$として,2つの曲線$C_{1}:y=\sin x\hspace{1zw},\hspace{1zw}C_{2}:y=\sin(x+a)$
を考える。
\vspace{4mm}
(1) $ 0<x<2\pi$の範囲で,$C_{1}$と$C_{2}$とで囲まれる部分の面積を求めよ。
\vspace{4mm}
(2) $0\displaystyle \leq x\leq\frac{\pi}{2}$の範囲で,$C_{1}$と$C_{2}$と$y$軸で囲まれる部分を
\hspace{1zw}$x$軸のまわりに1回転させてできる立体の体積$V$を求めよ。
\vspace{4mm}
(3) (1),(2)の$S , V$について$\displaystyle \lim_{a\rightarrow 0}\frac{V}{S}$を求めよ。
\end{FRAME}
\vspace{8mm}
・(1),(2)とも囲まれる部分を誤っている答案が多かった。
\hspace{1zw}(それぞれ全体の3割程度。)
\hspace{1zw}出題に際して,そのような取り違えがでるのではないだろうかと
\hspace{1zw}危惧していたが,その通りとなった。問題文は少々不親切ではあるが
\hspace{1zw}あいまいな点は無く(「囲まれる」とかいてある),
\hspace{1zw}やはり取り違えは取り違えた方の責任である。
\vspace{4mm}
・交点の$x$座標を求めることが出来なかった答案が全体の3割程度もあった。
\hspace{1zw}また交点の$x$座標を$x=\displaystyle \frac{\pi+a}{2}$や$x=\displaystyle \frac{\pi}{2}+a$とした誤りも多かった。
\vspace{4mm}
・その他三角関数については
\hspace{1zw}『$\sin(\pi-a)$や$\displaystyle \cos\frac{\pi+a}{2}$等の符号ミス』
\hspace{1zw}『$y=\sin(x+a)$の平行移動の方向の誤り』
\hspace{1zw}など,基本的な部分でのミスが目立った。
\vspace{4mm}
・(2)の回転体の計算では
\hspace{1zw}$V=\displaystyle \pi\int_{\alpha}^{\beta}\{\sin(x+a)-\sin x\}^{2}dx$
\hspace{1zw}(2乗の付け方が違う)と誤っている大ミスが
\hspace{1zw}全体の2割程度もあった。
\vspace{4mm}
・小言ばかり言うようで悪いが,全体に練習不足である印象を受けた。
\newpage
\begin{FRAME}
理\fbox{4}(A)
\vspace{4mm}
(図形があるために問題文省略)
\end{FRAME}
\vspace{8mm}
・名大の理系の\fbox{4}は例年選択問題であり,そのうちの一方は
\hspace{1zw}確率の問題であることが多く,しかもかなり難問であることが多い。
\hspace{1zw}本模試でもその形式を踏まえ,1つは確率とし,
\hspace{1zw}しかもやや煩わしいものとした。
\hspace{1zw}選択問題の2問の難易はおおむね同程度に想定されるはずであるが,
\hspace{1zw}しかし各人の実情によって異なるであろうから,
\hspace{1zw}後で悔しがらないような有利な選択を心がけたい。
\hspace{1zw}(なお,出題者チームは(B)を選択する生徒に偏るのではないかと
\hspace{1zw}考えていたが,ほぼ五分五分に分かれたようである。)
\vspace{4mm}
・本問は白紙はほとんど無く,完答も2割強あり,よく出来ていた。
\hspace{1zw}近年の受験生は確率を得意とする人が多く,結構なことである。
\vspace{4mm}
・(1)では,$q_{2}$の場合を1つ忘れて$q_{2}=\displaystyle \frac{3}{8}$と誤ったものが少数あった。
\hspace{1zw}(2)では,$q_{n+1}$の漸化式を立てるときに,状態$G_{n}$から状態$G_{n+1}$への
\hspace{1zw}推移のパターンが2つあるために,推移確率を$\displaystyle \frac{1}{4}\times 2$と誤っているもの,
\hspace{1zw}したがって漸化式を$q_{n+1}=\displaystyle \frac{1}{2}p_{n}+\frac{1}{2}q_{n}$(正しくは$q_{n+1}=\displaystyle \frac{1}{2}p_{n}+\frac{1}{4}q_{n}$)
\hspace{1zw}としてしまうミスが,これは多数あった。
\vspace{4mm}
・(1)の$p_{1}$~$q_{2}$の値と(2)の漸化式や(3)の結果が矛盾していることに
\hspace{1zw}無関心であったり,(3)を一般の$n$で解いてから
\hspace{1zw}$n=5$を代入したりする等,問の相互関係を把握しきれていない
\hspace{1zw}答案が散見されたことが気になった。
\newpage
\begin{FRAME}
理\fbox{4}(B)
\vspace{4mm}
$n$を3以上の自然数とし,集合$A$を
\vspace{2mm}
\hspace{5zw}$A=\{1,2,\cdots\cdots,n\}$
\vspace{2mm}
とする。また,$k$を$1\leq k\leq n$なる自然数とし,
$A$から要素$k$を除いた集合を$B_{k}$とする。すなわち
\vspace{2mm}
\hspace{5zw}$B_{k}=\{1,2,\cdots k-1,k+1,\cdots,n\}$
\hspace{15zw}$(k=1,2,\cdots,n)$
\vspace{2mm}
とする。
\vspace{4mm}
(1) $A$の異なる2つの要素の積のア総和$S_{n}$を求めよ。
\vspace{4mm}
(2) $B_{k}$の異なる2つの要素の積の総和を$T_{k}$とするとき,
\hspace{2zw}$T_{k}$を$S_{n}$を用いて表せ。
\vspace{4mm}
(3) 特に$n=10$のとき,$A$の異なる3つの要素の積の総和$U_{10}$を求めよ。
\end{FRAME}
\vspace{8mm}
・(1)の正答率は5割程度。
\vspace{2mm}
\hspace{2zw}$S_{n}=(1+2+\cdots+n)^{2}-(1^{2}+2^{2}+\cdots+n^{2})$
\vspace{2mm}
\hspace{1zw}という誤答が多かった。
\vspace{4mm}
・これも正答率は5割程度で,(1)と(3)は出来ていないのに
\hspace{1zw}(2)だけ出来ている答案も多かった。誤答としては
\vspace{2mm}
\hspace{2zw}$T_{n}=S_{n}-k(1+2+\cdots+n)$
\vspace{2mm}
\hspace{2zw}$T_{n}=S_{n}-2k(1+2+\cdots+n)+k^{2}$
\vspace{2mm}
\hspace{1zw}等が多かった。
\vspace{4mm}
・(3)は正答率は1割程度。正解した答案の多くは
\hspace{1zw}『とにかく全てのパターンを(うまく)書き出して求めている』
\hspace{1zw}ものが多く,問題の誘導に乗って(2)を利用しているものは
\hspace{1zw}少数であった。
\hspace{1zw}なお誘導をキャッチしたにもかかわらず,$U_{n}=\displaystyle \sum_{k=1}^{n}kT_{k}$として,
\hspace{1zw}$\displaystyle \frac{1}{3}$倍を忘れた惜しいものもあった。
\vspace{4mm}
・(3)において【解説】7゜にいうところの関係式
\vspace{2mm}
\hspace{2zw}$(\displaystyle \sum_{k=1}^{n}k)^{3}=3(\sum_{k=1}^{n}k)(\sum_{k=1}^{n}k^{2})-2\sum_{k=1}^{n}k^{3}+6U_{n}$
\vspace{2mm}
\hspace{1zw}を作り出している答案も少なからずあった。
\hspace{1zw}これは見事である!
\newpage
\begin{FRAME}
文\fbox{1}
\vspace{4mm}
xyz空間において,原点をOとし,3点$A(1,0,0) , B(0,1,0) , C(0,0,2)$
を通る平面をαとする。また,原点を通り,平面αに直交する直線と
平面αとの交点をHとする。
\vspace{4mm}
(1) $\overrightarrow{AH}=s\overrightarrow{AB}+t\overrightarrow{AC}$を満たす実数$s , t$を求め,点Hの座標を求めよ。
\vspace{4mm}
(2) 原点Oを中心とし,点Cを通る球面上を点Pが動くとき,
\hspace{2zw}四面体PABCの体積の最大値を求めよ。
\end{FRAME}
\vspace{8mm}
・白紙答案はほとんど無く,満点は1割程度,
\hspace{1zw}(1),(2)の正答率はそれぞれ4割,1割程度であった。
\vspace{4mm}
・(1)は,問題文に$\overrightarrow{AH}=s\overrightarrow{AB}+t\overrightarrow{AC}$と$s , t$を用いているにもかかわらず,
\hspace{1zw}『$H(x,y,z)$とおく』 や
\hspace{1zw}『$\overrightarrow{OH}=\alpha\overrightarrow{OA}+\beta\overrightarrow{OB}+\gamma\overrightarrow{OC}$
\hspace{1zw}$\alpha+\beta+\gamma=1$とおく』
\hspace{1zw}等として,さらに多くの文字を導入して失敗しているケースが多かった。
\vspace{4mm}
・平面⊥$\overrightarrow{OH}$の条件では,$\overrightarrow{OH}\cdot\overrightarrow{AH}=0 , \overrightarrow{OH}\cdot\overrightarrow{BH}=0$
\hspace{1zw}とすると$s , t$の2次式となり計算が複雑になる。
\hspace{1zw}【解答】を味わってほしい。
\vspace{4mm}
・(1)の大きな間違いは
\hspace{1zw}『Hは△ABCの重心』(×)
\hspace{1zw}『$s+t=1$』(×)
\hspace{1zw}『$H(x,y,z)$で$x+y+z=1$』(×)
\hspace{1zw}等である。
\vspace{4mm}
・Pの位置を,OHの延長と球との交点で考えているが,
\hspace{1zw}2つの交点のうちどちら側であるかが理解できていないようで,
\hspace{1zw}高さを$2-\displaystyle \frac{2}{3}$と誤った答案も多かった。【解答】に見られるような
\hspace{1zw}略図を描けば間違うことはないと思うのだが。
\newpage
\begin{FRAME}
文\fbox{2}
\vspace{4mm}
$a$を実数として曲線
\vspace{2mm}
\hspace{2zw}$C_{a}:y=(x+a)(x-a)^{2}$
\vspace{2mm}
を考える。このとき,点$P(p,32)(p>0)$を通る曲線$C_{a}$が2つあるという。
\vspace{4mm}
(1) Pの座標と$a$の値を求めよ。
\vspace{4mm}
(2) (1)で求めた2つの$a$の値を$\alpha , \beta$とするとき,
\hspace{2zw}$C_{\alpha}$と$C_{\beta}$で囲まれる部分の面積を求めよ。
\end{FRAME}
\vspace{8mm}
\hspace{1zw}白紙の答案はほとんどなく,ほぼ全員が取り組んでいた。
ただし,(1)を完全に答えられていたのは50枚に1枚程度で,
(1)が分かった人の多くは(2)も大体出来ていた。
ただし,最後の計算ミスも多かった。
\vspace{4mm}
\hspace{1zw}(1)の間違いとして非常に多かったのが,
$p$と$a$の役割を完全に逆に考えていたものだった。
全体の約3分の1はこの手の解答であったような印象がある。
また,$p+a$や$p-a$を勝手に整数であると誤解して,
整数の場合分けの問題に帰着させている間違いもかなり目立った。
この種の解答では高い精度で正しい数値を導き出せていたが,
解き方が誤っているので0点となった。
\vspace{4mm}
\hspace{1zw}(2)に関して見られた誤りは,単に6倍するのを
忘れていたというミスがほとんどであった。
また,略図を描いてきちんと定性的なふるまいを理解した上で
積分を実行している人が多かった点はよかった。
\newpage
\begin{FRAME}
文\fbox{3}(A)
\vspace{4mm}
次の問いに答えよ。
\vspace{4mm}
(1) $m , n$は互いに素である自然数であり,
\hspace{2zw}$n\geq 2$であるとする。このとき,$\displaystyle \frac{m}{n}$が有限小数となる,すなわち
\vspace{2mm}
\hspace{2zw}「ある自然数$k$に対して$\displaystyle \frac{m}{n}\times 10^{k}$が整数となる」
\vspace{2mm}
\hspace{2zw}ための必要十分条件は
\vspace{2mm}
\hspace{2zw}「$n$が2,5以外の素因数をもたない」
\vspace{2mm}
\hspace{2zw}ことであることを示せ。
\hspace{3zw}以下,$a , b , c$をそれぞれ1から9までの自然数のいずれかとし,
\hspace{2zw}これらの積$abc$を考える。ただし,$a , b , c$の中に重複するものが
\hspace{2zw}あってもよいとする。
\vspace{4mm}
(2) $\displaystyle \frac{1}{abc}$を少数で表したとき,これが整数または有限小数となるような
\hspace{2zw}$(a,b,c)$の組は何通りあるか。なお,少数で表したときに
\hspace{2zw}整数になるとは,小数部分が0になる場合をいう。
\vspace{4mm}
(3) $\displaystyle \frac{9}{abc}$を少数で表したとき,これが整数または有限小数となるような
\hspace{2zw}$(a,b,c)$の組は何通りあるか。
\end{FRAME}
\vspace{8mm}
・名大の文系の\fbox{3}は例年選択問題であり,確率や,場合の数,
\hspace{1zw}整数などが題材となることが多い。今回の模試では
\hspace{2zw}(A)「整数・場合の数」
\hspace{2zw}(B)「場合の数・数列」
\hspace{1zw}という構成にした。(A)は型破りの問題であるために,出題者チーム
\hspace{1zw}では,選択は(B)に偏るのではないかと予想していたが,
\hspace{1zw}サンプル答案を見た段階では五分五分のようであった。
\vspace{4mm}
・(1)はいかめしく,(分かるまでに時間がかかるとおもうが,)
\hspace{1zw}分かってしまうと殆ど自明である。かえって,
\hspace{1zw}答案の説得力のある記述に苦労しているようであった。
\hspace{1zw}このような証明では,【解答】に見るように,
\hspace{1zw}必要性と十分性に記述を分けると書きやすい。
\hspace{1zw}(考察のための工夫としてより,書くための工夫としてわけるのである。)
\vspace{4mm}
・(2)では,8のことを忘れている答案が少数あった。
\vspace{4mm}
・(3)では,分母に,分子の$9=3^{2}$によって約分されてしまうだけの3は
\hspace{1zw}含むことができる。すなわち,分母に素因数3は
\hspace{2zw}0個か,1個か,2個
\hspace{1zw}は含むことが出来る。これをしっかりと押さえていないために,
\hspace{1zw}場合の数を数え損なっている答案が多かった。
\newpage
\begin{FRAME}
文\fbox{3}(B)
\vspace{4mm}
$n$を3より大きい自然数とする。$n$個の自然数からなる数列
\vspace{2mm}
\hspace{2zw}$1,2,3,\cdots\cdots,n$\hspace{5zw}$\cdots$(A)
\vspace{2mm}
について考える。
\vspace{4mm}
(1) 数列(A)から隣り合う2数をとって積を作る。
\hspace{2zw}こうして得られる$n-1$通りの積の総和$P$を求めよ。
\vspace{4mm}
(2) 数列(A)から隣り合わない2数をとって積を作る。
\hspace{2zw}こうして得られる${}_{n}C_{2}-(n-1)$通りの積の総和$Q$を求めよ。
\end{FRAME}
\vspace{8mm}
・(1)での誤答例は
\vspace{2mm}
\hspace{2zw}$\displaystyle \sum_{k=1}^{n}(k^{2}+k) , \sum_{k=1}^{n}k(k+1)$
\vspace{2mm}
\hspace{2zw}$\displaystyle \sum_{k=1}^{n-1}(k^{2}-k) , \sum_{k=1}^{n-1}k(k-1)$
\vspace{2mm}
\hspace{1zw}いずれも式を書き並べてみれば直ぐに分かることであるが,
$k$の範囲を誤っている。これらのみならず,(2)においてもΣを
利用するときに$k$の範囲をミスしているものが多かった,
あやふやだと思えば式を書き出して確認すればよいのに。
\vspace{4mm}
\hspace{1zw}また(1)では,数列$\{k(k+1)\}$の階差数列を考えている答案が
こちらの予想以上に多かった。
\vspace{4mm}
・(2)の出来具合は出題者の予想以上に悪かった。
\hspace{1zw}良い答案の例として
\vspace{2mm}
\hspace{2zw}$1\cdot 3+1\cdot 4+1\cdot 5+\cdots\cdots+1\cdot n$
\vspace{2mm}
\hspace{5zw}$2\cdot 4+2\cdot 5+\cdots\cdots+2\cdot n$
\vspace{2mm}
\hspace{8zw}$3\cdot 5+\cdots\cdots+3\cdot n$
\vspace{2mm}
\hspace{11zw}$\cdots\cdots$
\vspace{2mm}
\hspace{12zw}$(n-2)\cdot n$
\vspace{2mm}
\hspace{1zw}と書き出して,視覚的に
\vspace{2mm}
\hspace{2zw}$Q=\displaystyle \sum_{k=3}^{n}\{1+2+\cdots\cdots+(k-2)\}\cdot k$
\vspace{2mm}
\hspace{1zw}を得ているものもあった。この続きは次のようになる。
\vspace{2mm}
\hspace{2zw}$1+2+\displaystyle \cdots\cdots+(k-2)=\frac{1}{2}(k-2)(k-1)$
\vspace{2mm}
\hspace{1zw}より
\vspace{2mm}
\hspace{2zw}$Q=\displaystyle \sum_{k=3}^{n}\frac{1}{2}(k-2)(k-1)k$
\vspace{2mm}
\hspace{2zw}$\displaystyle \sum_{k=3}^{n}\frac{1}{8}\{(k-2)(k-1)k(k+1)-(k-3)(k-2)(k-1)k\}$
\vspace{2mm}
\hspace{2zw}$\displaystyle \frac{1}{8}n(n+1)(n-2)(n-1)$
\newpage
{\large {\bf 学習アドバイス}}
\vspace{4mm}
1゜理系,文系ともに,標準的な問題を数多く学習するとよい。
\hspace{2zw}いわゆる,難問,奇問を学ぶ必要はない。典型的な標準問題を
\hspace{2zw}中心に演習することを勧める。
\vspace{4mm}
2゜問題を解くときは,何となく解き始めるのではなく
\vspace{2mm}
\hspace{3zw}『まず問題をよく読もう』
\hspace{3zw}『条件や結論を確認し方針を立てる』
\vspace{2mm}
\hspace{2zw}そしてその後に解き始めるという習慣をつけよう。
\hspace{2zw}そして,方針が立ち,解き方が分かったからといって,
\hspace{2zw}途中でやめたりするのではなく
\vspace{2mm}
\hspace{3zw}『最終的な結論がでるまで気を抜かずに計算する』
\vspace{2mm}
\hspace{2zw}ことが大切である。日頃の学習の中で,自分の手で計算し,
\hspace{2zw}自分の言葉で解答を作ることこそが,
\hspace{2zw}底力な養成につながるのである。
\vspace{4mm}
3゜理系は数Ⅲの微積分を,文系は数Ⅱの微積分を
\hspace{2zw}まず仕上げるとよいだろう。
\hspace{2zw}微積分は理系での出題の中心であるし,
\hspace{2zw}文系でも最も多く出題されてきたからである。
\hspace{2zw}また,この分野は,学習量がそのまま得点に反映される
\hspace{2zw}ありがたい分野でもある。
\vspace{4mm}
4゜名大では,高校数学の全分野から幅広く題材を選び,
\hspace{2zw}バランスよく出題しようとしているように思われる。
\hspace{2zw}したがって,極端な苦手分野があると大失敗につながりかねない。
\hspace{2zw}今回の模試の結果を検討して,自分の弱点を克服するように
\hspace{2zw}計画を立てて頂きたい。
\vspace{8mm}
\fbox{採点基準}
\vspace{4mm}
【理系】
理\fbox{1} 50点 (1)12点(2)38点
理\fbox{2} 50点 (1)10点(2)25点(3)15点
理\fbox{3} 50点 (1)22点(2)16点(3)12点
理\fbox{4}(A) 50点 (1)20点(2)14点(3)16点
理\fbox{4}(B) 50点 (1)20点(2)10点(3)20点
\vspace{4mm}
【文系】
文\fbox{1} 70点 (1)40点(2)30点
文\fbox{2} 70点 (1)40点(2)30点
文\fbox{3}(A) 60点 (1)20点(2)16点(3)24点
文\fbox{3}(B) 60点 (1)30点(2)30点
\vspace{4mm}
\hspace{16zw}(文責Iwa.)
\end{document}