Re:H26 近畿大学 数学コンテスト 問題B-3

  • 公開日時: 2019/04/19 14:22
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  • カテゴリ: 入試・教育

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\documentclass[9pt]{jsarticle} \begin{document} $p$を奇素数,$n$を自然数とし,$f_n:Z/pZ \ni x \longmapsto (x+1)^n-x^n \in Z/p Z$ が全単射となる$n$の値をすべて求めよ. \vspace{3pt} \noindent {\bf【解答】} $F:=Z/pZ$とおく.$\equiv$の記号は特に注釈がなければ,mod $p$ の意味である. $f_n(-1-x)=(-1)^{n-1}f_n(x)$が成り立つ.$n$が奇数であるとすると, $f_n(-1-x)=f_n(x)$となるが,$x\not \equiv -1-x$,すなわち, $x\not \equiv \frac{p-1}{2}$なる$x\in F$が存在するので$f_n$が単射でなくなる. 従って$n$は偶数であることが必要である. $p=3$のときは,$f_n(0)=1$, $f_n(1)=2^n-1\equiv (-1)^n-1=1-1=0$, $f_n(-1)=-1$より $n$は偶数であれば十分である.そこで以下,$p \geq 5$とする. ここで,$n=(p-1)q+r\ (0 \leq r < p-1)$をみたす整数$q,r$が存在するが,$n$, $p-1$が偶数だから$r$は偶数である.$r=0$とすると,$F \ni \forall x \not \equiv 0$, $x^n=(x^{p-1})^q \equiv 1$より, $F \ni \forall x \not \equiv 0, -1$, $f_n(x)\equiv 1-1=0$となり,$|F|=p \geq 5>3$ に矛盾が生じるので,$r \geq 2$が必要である. すると,$F \ni \forall x$, $x^n=x^{(p-1)q}\cdot x^r \equiv x^r$より $f_n=f_r$となるので,$2 \leq r < p-1$として$f_r$を考えればよい. まず,$k \in N$について,次の事実に注意する(原始根を考えれば分かる). \begin{equation} \sum_{x \in F}x^k \equiv \left\{ \begin{array}{ll} 0 & (k \not \equiv 0\ ({\rm mod}\ p-1) \mbox{のとき}) \\ -1 & (k \equiv 0\ ({\rm mod}\ p-1) \mbox{のとき}) \end{array} \right. \end{equation} すると,$f_r$が全単射となるためには,$1\leq k \leq p-2$を満たす $\forall k \in N$に対して, \begin{equation} \sum_{x\in F}(f_r(x))^k \equiv \sum_{x \in F}x^k \equiv 0 \end{equation} となることが必要であることが分かる.そこで, \begin{equation} \exists \, l \in N \ \mbox{ s.t. }\ 1\leq l \leq \frac{p-3}{2}\ \mbox{ かつ } \ \frac{p-1}{l+1} < r \leq \frac{p-1}{l}\ \Longrightarrow\ \sum_{x \in F}(f_r(x))^{2l}\not \equiv 0 \end{equation} を示す.$F \ni x \longmapsto -1-x \in F$, $F\ni x \longmapsto x+1 \in F$ が全単射であることに注意すると, %\footnotesize%%数式の文字サイズを下げる命令 \begin{eqnarray*} &\,&\sum_{x \in F}(f_r(x))^{2l}=\sum_{x \in F}((x+1)^r-x^r)^{2l}=\sum_{x \in F}\left(\sum_{j=0}^{2l} {}_{2l}C_j(x+1)^{rj}(-x^r)^{2l-j}\right)\\ &\equiv& (-1)^l {}_{2l}C_l \sum_{x \in F}x^{rl}(x+1)^{rl}+\sum_{j=0}^{l-1}(-1)^j {}_{2l}C_j\left(\sum_{x \in F} (x+1)^{rj}x^{r(2l-j)}+\sum_{x \in F}(x+1)^{r(2l-j)}x^{rj}\right)\\ &\equiv& (-1)^l {}_{2l}C_l \sum_{x \in F}x^{rl}(x+1)^{rl}+\sum_{j=0}^{l-1}(-1)^j {}_{2l}C_j\left(\sum_{x \in F} (x+1)^{rj}x^{r(2l-j)}+\sum_{-1-x \in F}(x+1)^{r(2l-j)}x^{rj}\right)\\ &\equiv& (-1)^l {}_{2l}C_l \sum_{x \in F}x^{rl}(x+1)^{rl}+\sum_{j=0}^{l-1}2(-1)^j {}_{2l}C_j \sum_{x \in F} (x+1)^{rj}x^{r(2l-j)}\\ &=&\sum_{x \in F} g(x)\ \left(\mbox{ただし,}\ g(x)=(-1)^l {}_{2l}C_l x^{rl}(x+1)^{rl}+\sum_{j=0}^{l-1}2(-1)^j {}_{2l}C_j (x+1)^{rj}x^{r(2l-j)}\right) \end{eqnarray*} %\normalsize を得る. $g(x)$の$x^{2lr}$の係数$\displaystyle =(-1)^l {}_{2l}C_l+\sum_{j=0}^{l-1}2(-1)^j{}_{2l}C_j=\sum_{j=0}^{2l} {}_{2l}C_j (-1)^j=(1-1)^{2l}=0$より,$g(x)$ の次数は$2lr$より小さい.ここで,$\frac{p-1}{l+1} < r \leq \frac{p-1}{l}$より, $rl \leq p-1 < r(l+1) \leq 2lr \leq 2(p-1)$となる. すると,$g(x)$の最後の$\sum$の部分の次数は$r(l+1)$以上$2lr$以下だから, この部分の$x$の冪(ただし,$x^{2lr}$は除く)に$p-1$の倍数はない. よって$g(x)$の中の$p-1$の倍数冪は,$(-1)^l {}_{2l}C_l \cdot {}_{rl}C_{p-1-rl}x^{p-1}$のみである. 従って(1)より,$2l<p$ かつ $rl<p$ に注意すると、 \begin{eqnarray*} \sum_{x \in F}(f_r(x))^{2l} \equiv (-1)^l {}_{2l}C_l \cdot {}_{rl}C_{p-1-rl} \sum_{x \in F}x^{p-1} \equiv (-1)^{l+1} {}_{2l}C_l \cdot {}_{rl}C_{p-1-rl} \not \equiv 0 \end{eqnarray*} となる.従って(2)より,$r$に対して(3) の仮定のような$l \in N$が存在しないのは, $r \leq \frac{p-1}{\frac{p-3}{2}+1}=2$の場合に限る. 逆に$r=2$ならば十分性は容易に分かる. \end{document}