2011 京大 理系 4番の不等式は・・・確率?

  • 公開日時: 2015/12/25 23:56
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  • カテゴリ: 入試・教育

京大の出題した不等式の問題,実は確率が出どころではないか?という話です.既にすうじあむで話題になっていた可能性も高いと思ったのですが,私の探した限りでは見当たらなかったので投稿します.

問題を引用しておきます.

2011 京大 理系 4番

[式:…][式:…] 以上の整数であり,[式:…] であるとき,不等式

      [式:…]

が成立することを示せ.

一見すると普通の不等式の問題ですが,近谷先生がこの問題を海外へご紹介なさった際に,確率を用いた回答が寄せられています.ちょっと抽象的な書き方がしてありますが,内容は確率が苦手な私にも十分理解できる内容です.

高校生にも分かるように味付けして翻訳すれば,以下のような感じになりますでしょうか.

[式:…] 人の世界的なチェスプレイヤー [式:…] が一人ずつこの順にスーパーコンピューターと対戦していく.[式:…] がスーパーコンピューターに勝つ確率は [式:…] で,みな名手なので [式:…] である[式:…],という状況を考えます.

このとき,不等式の左辺は [式:…] が負ける確率[式:…] が負ける確率,・・・,[式:…] が負ける確率を掛け合わせたものなので,チェスプレイヤー全員が負ける確率,すなわちスーパーコンピューターが全員に勝つ確率を表しています.

一方,スーパーコンピューターが全員に勝つという事象の余事象は,少なくとも誰か一人がスーパーコンピューターに勝つという事象で,その確率を求めるには,スーパーコンピューターに初めて勝つのが [式:…] である確率を足し合わせればよいです(排反なので).

       [式:…] が勝つ確率[式:…]

       [式:…] が負けて [式:…] が勝つ確率[式:…]

       ・・・・・・

       [式:…] が負けて[式:…] が勝つ確率[式:…]

ゆえに

       少なくとも誰か一人がスーパーコンピューターに勝つ確率 [式:…]

       スーパーコンピューターが全員に勝つ確率 [式:…]

したがって

       [式:…]

という等号が成り立つことが分かりました.右辺を [式:…] で評価すれば京大の不等式というわけです.

この問題を数学的帰納法など使わずに解こうと思えば,上記恒等式を思いつくのが近道ですが,上記恒等式は確率と見れば実に自然に導かれるものなので,もしかしたらこの不等式の出自は確率なのではないかと忖度した次第です.

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