大学への数学(2015年12月号)

平賀 譲 さん

  • 公開日時: 2015/11/26 11:36
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  • カテゴリ: 書籍・メディア

『大学への数学』最新号(2015年12月)を見ていたら、このフォーラムでも取り上げられたような問題や話題がいろいろ出ています。個々の問題の紹介まではできませんが、興味をお持ちの方は本誌をご覧ください。(以下著者名は敬称略)

 


p.8~「日日の演習:複合的な問題に挑戦」(飯島康之・横戸宏紀)

*問題 12.13(北里大・理)

これ、モロに「ハノイの塔」の問題です(移動の最小回数を求める)。さすがにここまでベタな出題は珍しく、鼻白んでしまう。

お口直しに、「不自由なハノイの塔」を知ってますか?
普通のハノイの塔は、A, B, C 3本の軸の1つに、穴の開いた大きさが違う円盤が N 枚刺さっており、それを1枚ずつ動かして他の軸に移動します。例えば最初円盤は全部 A 軸に刺さっていてそれを C 軸に移動するなど。小さな円盤の上に大きな円盤を乗せてはいけない、という制約があります。

これに対し、不自由なハノイの塔では、一番小さい円盤を B 軸に刺してはいけない、という制約が加わります。
この場合の最小手数はいくつでしょう、というか、そもそも移動可能でしょうか?
少しやってみるとわかりますが、実はこの場合、可能な移動は(後戻りを除いて)一意に決まるという性質があります。

他にも軸の本数を4本、5本などと増やすとどうなるかといったバリエーションもありそうです。

 

*問題 12.14(茨城大(後)・理)

茨城大、また水戸黄門出題しましたね。伝統にするのかしらん。

    http://suseum.jp/gq/question/1248

本年度のほうが問題として難しいか。難易度ランクは C**** になっている。

 


p.34~「演習/数 III 体積・弧長の serendipity」(安田亨)

*問題 6(東邦大・医)

エラくモノモノしい設定だけど、要するに直交する2円柱の共通部分という、おなじみさんです。


*問題 11(室蘭工大)

    http://suseum.jp/gq/question/2394

で取り上げられた問題です。



三角関数の [式:…] とか [式:…] とか。

いくつかありますね。
*p.24 「演習/数 I A II: 総合演習(数式編)」(森茂樹)問題 4(兵庫県大・工)
*p.44~「横断講義:三角関数の問題」(雲幸一郎)、特に例題 3


 

p.48~「整数の名作問題から学ぶ」(古川昭夫)

例題 3 は実質はユークリッドの互除法の問題。
それはいいとして、最後の行の「[式:…] であることを示せ」は「[式:…] であることを示せ」の誤植。
ここに書いてもしょうがないけど。


 

 

p.70~「数学・思い出の1題: 煎餅の歯ごたえを味わう」(宍倉光広)

これが一番書きたかった話で、昔の「理系新作問題演習」の中の問題が主題です。同問については下記の記事及びそれへのフォロー記事で取り上げられています。

    http://suseum.jp/gq/question/574

宍倉先生は京大の先生で、思い出に残った問題として本題が取り上げられています。一部引用すると:

「大学への数学」から出ていた問題集で、おそらく一番難しいと思われた「理系新作問題演習」を買って、一つ一つ解いていったのが私の数学の受験勉強だった。後述の問題は、この問題集の中で私が一番手こずって何日かかってもできず、自分の例外として解答を見た問題である。解答を見て証明は納得しても、自分で証明を思いつけるように思えなかったので鮮明に覚えている。実際、この問題には、数学的により深いバックグラウンド(モヂュラー群や連分数など)があり、それらにはその後の私の数学人生の中でも遭遇することになったという点でも感慨深い。

もちろん、そういったバックグラウンドの知識なしでも解けはしますが、確かに難問ではあります。一読をお勧めします。

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