木下是雄著「理科系の作文技術」

  • 公開日時: 2015/06/22 02:37
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  • カテゴリ: 書籍・メディア

ご無沙汰しております。

本書を読んでおりましたところどうしても理解できないところがありました。

129ページの例10です。

なぜ”及び”が”又は”の意味で解釈できるのか、分かりません。

よろしければご教授戴けませんでしょうか。

ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。

_____________________________________________
追記

問題の個所を記します。著作権に問題があれば削除します。

 

例10 条件Aを満足する場合および条件Bを満足する場合には 

次のどれを意味するのか
(a)A,Bを両方とも満足する場合には

(b) AまたはBのどちらかを満足する場合には

 

もとの表現が後者を意味することはちょっと考えればわかる.(図8.1参照.右側はA,Bを両方とも満足する場合を含む)

したがって、もし(a)のように読めば誤解である.もとの形でも論理的には悪くないが,誤解を引き起こしやすいから,私は

AまたはBの少なくともどちらかを満足する場合には

のように書くことを勧める. 

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No メッセージ 投稿者 日時    
1
手元に原著がないので立ち入ったことは言えませんが。

まずこれは論理というより日本語の問題です。
まあ言語ということで言えば、そもそも「満足する」という言い方自体、数学(や科学?)をやっている人には普通に感じられるかもしれないけど、世間一般では異様に写るかもしれない。「[式:…] を満足する [式:…]」なんて、[式:…] をチヤホヤしてご機嫌とっているように受け取られるのがオチかも。

というわけでもないけど、本件も文化・習慣の違いとか、文脈による違いとかいろいろな要因がありそうで、木下先生のように「ちょっと考えればわかる」とか「論理的には悪くない」などと気楽に言えそうにはない。

# 以下書き直しました。

出発点は:
  (A) 「『X を満足する場合』及び『Y を満足する場合』」
比較対象として
  (B) 「『X 及び Y』を満足する場合」
としてみます。これと (A) とは違うという感じはしますか、あるいはしませんか?ついでに「中間形?」の:
  (C) 「『X を満足する』及び『Y を満足する』場合」
も並べておきましょう。さらに「満足する」もやめて、
  (A') 「『X である場合』及び『Y である場合』」
  (B') 「『X 及び Y』である場合」
  (C') 「『X である』及び『Y である』場合」
とかも入れておきますか。問題はこれらが:
  (a) 「X かつ Y である場合」
  (b) 「X または Y である場合」
のいずれであるか、ですね。

(B), (B') は (A), (A') とは別物(だろう)とはおもいませんか?これらは「A, B 共に成り立つ場合」と受け取るのが普通、つまり上の (a) にあたります。問題は (A), (A') が (a), (b) どちらにあたるかです。

さらに原著では「場合には」となっているから、条件文の前件、つまり「[式:…]」の [式:…] の側のことでしょうが、後件の [式:…] の側だとどうか、というのもある。

==============
それも踏まえて、具体例、用例をいろいろ考えていくのでしょう。

(1) 「[式:…] が偶数である場合及び [式:…] が5の倍数である場合には [式:…] は 10の倍数である」
(2) 「[式:…] が偶数及び5の倍数である場合には [式:…] は 10の倍数である」

両者は同じですか、違いますか?
(1) は木下説のほうが分が良さそうな気もするけど。
つまり (1) の場合、「かつ」の意味にとらなければ命題としては正しくないけど、問題は自然にそう読めるかです。

(3) 「英語で 60点以上とった場合及び数学で 80点以上とった場合には試験に合格する」
(4) 「英語で 60点以上及び数学で 80点以上とった場合には試験に合格する」
(3) はちょっと微妙かな。

(5) 「高い理想をもつこと及び深い教養を身につけていることが政治家であるための条件である」
これはどうでしょうか?
もっとも「条件である」では普通の意味での命題ではないので、「良い政治家である」とでも変えておいたほうがいいかな。

法律とかにも例がいろいろありそうです。

>著作権に問題があれば削除します。

まあ問題はないでしょうが、その「著作権法」を見てみると。
  http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S45/S45HO048.html

なにやら「及び」がやたらたくさんありますねえ。

最初のほう:
(第2条四)
「実演家 俳優、舞踊家、演奏家、歌手その他実演を行う者及び実演を指揮し、又は演出する者をいう。 」

わかりにくいけど、「実演家とは何か」で、これは「実演を行う者」『または』「指揮・演出する者」でしょうねえ。両方である必要はない。しかし「及び」と「又は」と両方でてきますねえ。

(第2条九の五イ)
「(以下この号及び第四十七条の五第一項第一号において「公衆送信用記録媒体」という。)」

この「及び」は、まあ並列の「及び」ではあるけど、意味としては
  ・この号でも
  ・47条云々でも
いずれにおいても「公衆送信用記録媒体」と呼ぶ、という意味では「かつ」

といったようにいろいろ用例を集めてみてはいかがでしょう?
平賀 譲 さん 2015/06/22 22:57:21 報告
2
お忙しいところ早速ご教授下さり真にありがとうございます。
平賀先生のコメントをじっくりお読みいたしまして
後ほどご質問をさせて頂きたく存じます。
今後ともご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。
まずは御礼申し上げます。
_______________
(追記)

「及び」というと前後のものごとが共に成り立つイメージがあり、どうしても頭の中で「かつ」と置き換えてしまいます。

ですが、たとえば甲「コインの表が出る」乙「コインの裏が出る」という背反な事柄で考えてみましたが奇妙な感じがします。

「甲が成り立つ場合及び乙が成り立つ場合」というと全事象が浮かび
「甲及び乙が成り立つ場合」というと矛盾しているという感じ方をします。

まだ漠然としています。
infantry attacks さん 2015/06/23 04:03:38 報告
3
> なぜ”及び”が”又は”の意味で解釈できるのか

・例10の「および」は列挙の為の接続詞であり,例えば
 1,2,3 のうち 2 の約数は 1 および 2 である
と同じ用法だと見るなら,それを式で書いたものには
 (x∈{1,2,3}かつxは2の約数)ならば(x=1またはx=2)
のように「または」が現れます.

・「場合」,「には」に注目し,平賀先生のご指摘にもあるように,例10を条件文の前件のみを列挙したものと見て,全体を
 xが条件Aを満足する場合およびxが条件Bを満足する場合にはxは条件Cを満足する
と復元するなら,それは
 (A[x]ならばC[x])かつ(B[x]ならばC[x])
つまり
 (A[x]またはB[x])ならばC[x]
と表せて,やはり「または」が現れます.

>「甲が成り立つ場合及び乙が成り立つ場合」というと全事象が浮かび
>「甲及び乙が成り立つ場合」というと矛盾しているという感じ方をします。

これも例10の「には」に注意して,例えば
 甲が成り立つ場合及び乙が成り立つ場合には丙が成り立つ
と補えば
 甲または乙が成り立つ場合には丙が成り立つ
と読めるのではないでしょうか?

honda さん 2015/06/23 11:55:09 報告