- 公開日時: 2009/01/06 03:34
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- カテゴリ: その他
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TeXのハイパーリンク(\htmladdnormallinkコマンド)は近々対応できるよう調査中ですので、今しばらくお待ちください。 よろしくお願いします。 |
★すうじあむ 管理者
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2009/01/06 11:20:56 |
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報告
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\newcommand{\DS}{\displaystyle}
\newcommand{\TS}{\textstyle}
\newcommand{\QS}{\begin{quote}}
\newcommand{\QE}{\end{quote}}
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\newcommand{\ML}{\begin{list}{\labelitemi}{\itemsep 0pt \parsep 0pt}}
\newcommand{\LE}{\end{list}}
\newcommand{\comment}[1]{}
\noindent\hrulefill\\
ALICE さん wrote:\\
地面をα、3点A, B, Cを通る平面をβとおくと
α、βは平行でないのでその共通部分は直線となり
直線AB, BC, CAとαとの交点D, E, Fは全てその直線上にある。
\\
\noindent
略証ですがこの様な解答ではないでしょうか
\vspace*{-1.0em}\noindent\hrulefill\\[1.0em]
\noindent
どうもありがとうございます。
簡潔でわかりやすいですよね。
また安田先生には問題の出典及び解答例を示していただきました。
最初に出典をご指摘いただいた taku さんへと合わせてお礼申し上げます。
おかげでだいぶ様子がわかりました。
他の問題と合わせて眺めると、安田先生のおっしゃるように別段奇を衒った問題ではなく、
また ALICE さんの解答にもあるように、「平面の交線は直線」を使うのが自然であり、
想定解答でもあることが伺えます。
\\
なぜこのような話を持ち出したかですが、
まず前便で「『3点が同一直線上にある』から連想されるもの」と書いたのは「メネラウスの定理」のことです。
実は最初に述べた『数学セミナー』の記事、正確には高重正明:「運がなくてもやってみよう」
(『数学セミナー』1993 年 5月号 pp.34--35)に次のような挿話がありました。
高校の授業で本問が取り上げられ、受験参考書にあった「模範解答」ともども示されたのですが、
それがメネラウスの定理を使った複雑なものだったそうです。
しばらくして高校に講演に来た数学者がこの「模範解答」を批判し、
「平面の交線」の解答を示して、それが数学的センスである、といった話をされたとのこと。
20 年以上前のことを覚えているのですから、著者の高重さんにとってそれほど印象が強かったのでしょう。
\\
これを読んでまず思ったのは、メネラウスの定理を使うような事情・理由が、
問題そのものや当時の時代背景にあったのだろうか、
逆に「平面の交線」が自然に出てこないのはなぜか、といった点でした。
上述のように、後者のほうがむしろ自然な発想だろうということで、
これはその受験参考書の特殊事情だったのかもしれません。
もっとも現在の高校教程だと、むしろメネラウスの定理の方が思いつきにくいかもしれませんが。
\\
それはともかく、メネラウスの定理から「平面の交線」にあたる結果が得られるなら、
発想を逆転して、「平面の交線」のほうからメネラウスの定理が証明できるではないの、
というのが本題です。
メネラウスの定理については以下でも述べますが、
例えば Wikipedia の以下のページなども参照してください
(英語版のほうが詳しいです。
ところで TeX で URL のリンクを張るようにはできるのでしょうか?
PDF にすれば可能ですが)。
\begin{verbatim}
http://ja.wikipedia.org/wiki/メネラウスの定理
http://en.wikipedia.org/wiki/Menelaus'_theorem (英語版)
\end{verbatim}
\begin{figure}[h]\begin{center}
\includegraphics[clip,width=0.48\hsize,bb=0 0 352 173]{m2.jpg}
\caption{}
\end{center}\end{figure}
メネラウスの定理は本来、平面幾何に属する話ですが、これを空間内で考えます。
つまり上の図 1(英語版 Wikipedia からのもの)は、
テレビ塔(煙突でもいいですが)A, B, C を上から眺めた平面図と思ってください。
なお図に合わせるため、記号 D, E, F の割り当て方を当初のものから変更して、
先端 A, B が重なるのが F 地点、A, C は E 地点、B, C は D 地点とすることをご容赦ください。
平面 ABC と水平面が交わるのが直線 DEF です。
テレビ塔 A, B, C の高さをそれぞれ $a,\ b,\ c$ とすると、
相似関係から以下が成り立つのは明らかです
(点 D, E, F は高さ 0 とします)。
\EQ
{\rm FA}\: :\: {\rm FB} = a\: :\: b
\\
{\rm DB}\: :\: {\rm DC} = b\: :\: c
\\
{\rm EC}\: :\: {\rm EA} = c\: :\: a
\EN
したがって:
\EQ
\frac{\rm FA}{\rm FB}\cdot \frac{\rm DB}{\rm DC}\cdot \frac{\rm EC}{\rm EA}
= \frac{a}{b}\cdot \frac{b}{c}\cdot \frac{c}{a} = 1
\EN
これはメネラウスの定理にほかなりません。
なお本問の設定では図 1 のように、DEF は△ABC と交わらないのですが、
図 2 のように交わる場合にもメネラウスの定理は成り立ちます。
これについてはテレビ塔に「負の高さ」(地面に潜っている?)を考えれば対応できます。
また FA, FB 等は正負の値をとる有向線分として考えたほうが一般化が効くのですが
(その場合、上式の値は $1$ ではなく $-1$ になります)、
ここでは立ち入りません。
\begin{figure}[h]\begin{center}
\includegraphics[clip,width=0.48\hsize,bb=0 0 354 177]{m1.jpg}
\caption{}
\end{center}\end{figure}
メネラウスの定理にはいろいろな証明があり、上のように立体的に考えるのもすでにあるものと思います。
標準的なのは、A, B, C から直線 DEF に垂線を下ろし、その長さについて、上のように相似比を考える
方法でしょう(Wikipedia に出ているのもこれです)。
もちろんそれで悪いわけではないし、
ここで述べたのは垂線を「立体的に」引くだけで、実質的には同じようなものかもしれません。
しかし発想の自然さとかイメージの具体性といった点から言えば、かなり差があるように思います。
少なくとも私にとっては、
DEF に垂線を下ろすというのは具体的にどういう意味づけができるか、イメージがわきにくいのですが、
テレビ塔版のほうはイメージが非常に具体的で、
定理が成り立つのも自然に納得できます。
\\
これは平面の世界から一歩踏み出して空間で考えることにより、
眺める視野が開けた話として考えることができます。
それまでの世界から踏み出した広い視野で眺めると、
それまで複雑でわかりにくかったものがいっぺんに簡単になる、
というのはわりとよくあるのではないでしょうか?
小学校の文章題が、中学校で記号代数をやると機械的に処理できてしまう
(結局、連立一次方程式を解いていたのだった)などもそういった例でしょうが、
やはり強く感じるのは複素数の世界です。
解析関数や複素積分などと言わなくても、ド・モアブルの公式、さらにはオイラーの公式:
\EQ
e^{i\theta} = \cos\theta + i \sin\theta
\EN
などはそれ自身が驚きだし、三角関数の公式(加法定理や倍角公式等々)は
ほとんど機械的に導けてしまいますから。